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「頻繁にキャンプに行きたいけれど時間がない」「子どもがまだ小さいのでアウトドアは難しい」と諦めてはいませんか?
今回ご提案するのは、日々の暮らしのなかでもっとも身近な野外「ベランダ」で楽しむアクティビティ、「ベランピング」。キャンプ場になかなか行けないキャンパーや手軽にアウトドアを楽しみたい人に人気のスタイルです。
おうち時間の充実に注目が集まる今、キャンプ気分が味わえるベランダがあれば家族も喜ぶことでしょう。安全・快適にベランピングを楽しむために、ベランダづくりで知っておきたいことや取り入れたい工夫などをご紹介します。
ベランピングとは、自宅のベランダでおこなう《ちょっと豪華》なキャンプのことです。なぜ《ちょっと豪華》かというと、「ベランダ」と「グランピング」を合わせた造語であるベランピングには「グラマラス(魅惑的な・華やかな)キャンプ」のコンセプトも含まれているからです。
ベランピングの魅力は、なんといっても手軽に楽しめる点。移動時間不要でアウトドアならではの非日常を味わえるのが魅力です。大がかりな準備やトイレ・お風呂などの心配がないのも嬉しいですね。
ベランピングを安心して楽しむには、ベランダが安全かつ快適に過ごせる場所でなければなりません。ここでは、設計時に押さえておきたいベランダづくりのポイントをご紹介します。
ベランピングを想定している場合、ベランダ水栓はぜひ設置しておきたいところです。ベランピングでは、「食事をする」「火を使う」「掃除をする」といった水を使う機会があることが予想されるためです。
新築時にベランダ水栓を設置する方法は2通りあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
①建物内部に配管を通して水栓を設置する
メリット:外観がすっきりする
デメリット:設置費用が5~20万ほどかかる
②外壁に配管を取り付けて水栓を設置する
メリット:設置費用が抑えられる(3~7万円ほど)
デメリット:配管が丸見えになる
外観にこだわりがある場合は内部配管がよいでしょう。費用を抑えたい場合には外壁に配管を取り付けることになりますが、外観が気になる場合には化粧配管を採用するとあまり目立たなくなります。
ベランピングでもっとも重要なのが、近所への配慮です。キャンプを目的とする人が集まるキャンプ場とは違い、周囲では日常生活が営まれているということを忘れてはなりません。ベランピング時に騒音を出さない心がけはもちろんですが、設備面については新築時の導入がおすすめです。
よく採用されているのは、防音パネルの設置です。ウォールグリーンやウッドパネルを活用すれば、ベランピングらしい非日常感も演出可能。隣家や道路と接する面にのみ設置するだけでも違いが出ます。
ベランダの壁にウレタンを使うのもひとつのアイデアです。小さな穴がたくさん空いた素材は高音域を吸収する力が強く、話し声やペットの鳴き声などに高い効果を発揮します。足音が気になる場合には、人工芝や防音マットの導入も検討するといいですね。
「キャンプの目玉といえばバーベキュー!」という人も多いでしょう。しかし、ベランピングでの火の使用はあまりおすすめできるものではありません。
まずチェックすべきは、建設エリアの状況。隣家と飛び火や燃え移りの心配がないほど離れていることはもちろん、法律も確認しておく必要があります。
都市計画法では、市街地の火災の危険に備えて「防火地域」「準防火地域」を定めています。ほかにも、建築基準法で規定される「法22条区域」や自治体独自が定める地域があり、これらのエリアには屋根やベランダの防火対策に厳しい基準(飛び火認定)が設けられています。
上記エリアでは、基準をクリアしたとしても安全第一でベランダバーベキューは避けるべきです。該当しない場合でも、隣家との距離が十分に保てなければNGでしょう。
距離が保てた場合も、国土交通大臣から飛び火認定を受けた建材・工法を採用しておくと安心です。認定仕様は「NM-〇〇〇〇」で表記される認定番号を取得していますので、建材選びの目安にしてくださいね。
本格的なアウトドアでは不便を受け入れざるを得ない「気象条件」ですが、ベランピングであれば、工夫次第で快適に過ごすことが可能です。
ベランダのスタイルにもよりますが、雨や暑さに対しては雨よけ・日よけになる屋根やひさしの設置が有効です。さらに、ウッドパネルや人工芝などを床に敷けば、夏でも裸足で歩くこともできます。
ただし、屋根やひさしによって室内の風通しが悪くなってしまったり、日光不足で冬場の室温が上がりにくくなってしまったりする恐れもあります。建設エリアの気候や立地条件、ベランピングの時期や頻度も考慮しながら設置の有無を検討しましょう。
寒さ対策では、火が焚けない代わりに電気ストーブが使えます。冬場のグランピングやホットプレートの使用なども考慮して、ベランダや隣接する部屋のコンセント位置を考えてみてくださいね。
最後に、ベランピングにおすすめのベランダを3つご紹介します。想像しながら家族みんなで話し合ってみましょう。
バルコニー部分が建物の内側に引っ込んでいるインナーバルコニーは、屋根や外壁のあるベランダの使い勝手と広さを兼ね備えるスペース。建物と一体になっているため、外観をスマートに仕上げられる点も魅力です。
導入を検討する際は、間取り決めがポイントになります。セカンドリビング的に活用したい場合には2階リビング、静かなスポットにしたい場合には寝室などに隣接させるとよいでしょう。
リビングと繋げた場合には、いつも視界に入る場所となります。グランピング道具は極力片付けたいところですので、すぐにしまえる位置に収納スペースを設けておくと便利です。
アウトドア好きの間で変わらぬ人気を誇るウッドデッキは、リビングに隣接した庭に設けられることがほとんどです。室内の床と高さを揃えるようにして設置されるため、スムーズな移動で外と繋がることができます。
ウッドデッキでは、目的に合った素材選びがキーポイント。メンテナンスの手間があっても風合いと加工のしやすさを重視するなら天然木、施工費用がアップしても耐久性を重視するなら人工木、と目的に合わせて選ぶことが大切です。
ウッドデッキは家の高さに合わせて設置されるため、下に空洞ができてしまいます。草が生えると手入れが困難ですので、設置前に防草シートを敷いたりコンクリート敷きにしたりしておくとよいでしょう。
いかがでしたか?設計段階からさまざまな工夫や対策を取り入れておくと、自宅で安全かつ快適なグランピングを実現しやすくなります。
外出自粛生活を経験し、どんな状況にあっても適度にリフレッシュできる場所が家の中にあることのありがたさを知った今、ベランダづくりは以前にも増して力を入れておきたいポイントかもしれません。
今回ご紹介したアイデアを参考に、素敵なベランピングライフを実現させてくださいね。
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