最近では賃貸住宅でもペット可物件があり、ペットと暮らす人たちが増えています。その中でも犬や猫は昔から人気が高く、家族の一員として一緒に暮らしている方が多くいることでしょう。
ペットと暮らす人が多い現代では、建築材料にもペットのことを考えてつくられたアイデア商品がたくさんあり、より過ごしやすくなってきていると言えます。
ペットも大切な家族の一員。これから快適に過ごすためのアイデアを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1. ペットと暮らす家をつくる2つの視点
ペットと暮らしていく中で大切なことは、「安全面」と「個別空間の確保」。この2つの視点を中心に、さらに踏み込んだ内容を解説していきます。どういう空間にすればお互いより快適に過ごせるのかが見えてきますよ。
◎安全面◎
なんといっても安全面は気になるところですよね。普段何気なく生活している中にも、ペットにとっては危険が多く潜んでいるものです。
たとえば「コンセント」。スマホの充電器は毎日使う人も多いはずですが、こういった配線類は噛んでしまう恐れがあるため非常に危険です。
そういったものから守るために、安全面を考えた間取りを考えましょう。
①ペットフェンスの設置
ペットフェンスを設置することにより、飛び出しやケガの防止につながるだけでなく、在宅時も不在時も「入ってはいけない場所」「ここからはOK」ということをペットに教えてあげることができます。
ペットフェンスにはゲートタイプ、サークルタイプなどの種類があります。サークルタイプだとその中で遊ぶことができるため、一つの空間づくりとして利用するのもいいですね。
②洗面所・浴室の扉を工夫
洗面所や浴室では、「水」や「閉じ込め」の事故が発生する恐れがあります。
日中は浴室の扉の鍵をかけておく、洗濯機のふたは閉まらないようにしておくなどの対策が大切。また、洗面所への扉をチャイルドロック付きのものにしておくのもオススメです。
③落下防止
ペットは時に予測不能な行動をすることがあります。とくに飼い主さんと一緒に遊んでいるときは、嬉しくなって走り回ったりすることもあるでしょう。そのようなときにヒヤッとするようなことが起きるかもしれません。
吹き抜けの家や階段の手すりに隙間があるようなタイプの場合には、防護ネットなどをかぶせておくといいですよ。
◎個別空間(プライバシー)の確保◎
どのような性格の子でも、落ち着ける空間を用意してあげましょう。私たちにも休まる場所があるように、ペットにも個別空間を用意することはとても大切なことですよね。
スペースがあれば専用の部屋を用意するのもいいですし、普段の生活の中でその子が一番落ち着ける場所にスペースを確保してあげてください。
①ご飯や水の場所は少し遠くに
自宅でペットと共生するなら、ご飯の場所は必須項目です。人間と同じ部屋で食べることは悪くはありませんが、やはりご飯のときはペットも落ち着いて食べたいはず。
一緒の空間でも、少し離れた所にスペースを確保してあげるといいでしょう。
②トイレスペースの工夫
トイレスペースはなるべく孤立したプライバシーが保てる空間で、玄関や洗面所などの近くに計画するのがオススメです。
とくに犬の場合は、毎日の日課である「散歩」があります。散歩の後は、排泄処理をしたり足を洗ったりとケアするための場所が必要ですよね。このとき、トイレの場所や洗面所の場所が近いと非常に便利。
また、水回り付近は換気機能も充実しているので、ニオイが気になるような作業に最適だと言えます。
③空調管理や換気の徹底
部屋の温度など、空調管理には注意が必要です。とくに夏の暑い日は熱中症の危険性もあります。これは人間に限った話ではないため、「水の確保」と「適切な温度管理」は必須と考えましょう。
現在は法令で24時間換気の設置が義務付けられていますが、それでも日当たりの良い場所にペット用のスペースを確保する、外付けのルーバーで日射熱を調整するなどの工夫をすることが大切です。人間が大丈夫でも、猫や犬が大丈夫だとは限りません。
2. 愛犬に優しい住まいづくりのポイント3つ
家族として犬との生活を考える人は多いのではないでしょうか。人間と犬は違うため、自分たち人間だけでなく犬にも優しい生活環境を考えてあげることはとても大切なことです。
この章では、犬と共生するにあたって空間づくりをする上で大切なポイントを解説します。
Point1:犬に優しい素材を選ぶ
新築やリフォームなどで犬に優しい素材を選ぶときは、無垢材などの肌触りの良い素材を選びます。
とくに床材は常に足に触れる部位になるため、滑りにくい犬専用素材が最適。床材には、爪のひっかきや足裏の汚れにも強く床暖房に対応しているものなど様々な種類があります。
大型犬と小型犬で適した素材条件は異なるので、建築業者に確認してみましょう。
Point2:犬のためのスペース
もともと犬の祖先である狼は、洞穴などの洞窟で過ごしていました。そのため、天井が低く、壁に囲まれた場所を好む傾向にあります。
やむを得ない場合はリビングなどのオープンスペースにゲージなどでスペースをつくるのも良いですが、できるだけ個別スペースの確保を目指しましょう。
「家族の気配を感じつつも、自分がリラックスできる空間」が一番望ましいので、たとえば階段下やキャビネット下などがオススメです。
Point3:犬種の特徴に合わせる
犬にとって居心地の良い場所をつくろうと思うと、犬たちの特徴や習性を理解する必要があります。飼い主にとって居心地の良い空間だとしても、それが犬たちにとって良いとは限りません。
彼らの個性を理解するために、まずは犬種の特性を理解することから始めましょう。たとえば、「柴犬は個性が強くツンデレ傾向にあるので、個室などのパーソナル空間が必要」「ゴールデンレトリバーは人と一緒にいることが好きなので、見えるところに空間を用意してあげる」といったことです。
犬種の特徴は簡単に調べられる情報ばかりですので、空間を設計するときの参考にしてみてください。
3. 愛猫に優しい住まいづくりのポイント3つ
2017年時点でペットとしての猫の数が犬を超えるなど、猫ブームが到来しています。猫との共生を考えて空間設計をしなければならないという方も多いはずです。
この章では、猫と一緒に暮らすにあたり、猫にとって居心地の良い空間をつくるためのポイントについて解説します。
Point1:人間と猫の居心地の良い空間は共通
猫にとって居心地の良い空間は、意外に人間にとっても良い空間であることが多いです。
もちろん、猫にとって好きな場所である高い所や暗い所を好きかどうかは人によって違いますが、「日当たりの良い場所」「自然の素材(無垢材)から薫る匂い」などはどんな人にとっても良い空間ですよね。
自分たちにとって居心地の良い空間を計画しつつ猫の視点を少し交えると、良い空間設計ができますよ。
Point2:猫を中心とした空間
人や犬と違い、猫は高さのある場所を好む習性があります。そのため、猫のための空間をつくるときは高さも考慮した「3D」で考える必要があります。
棚の上や手すりの上なども自由に動き回るため、想定外のことも起きます。大切なものや危険なものはなるべくしまっておくなどの工夫を凝らしながら計画するといいでしょう。
Point3:猫が動きたくなる動線
猫は縄張り意識が強く、自分のエリアをぶらぶらと歩き回る習性があります。そのため、壁穴を設けたり巡回路を設けたりして猫が自由に動き回りやすい環境をつくってあげることが大切です。
このとき、各部屋をさりげなく覗き込めるような覗き穴をつくってあげるのがオススメです。入っていい部屋には自由に出入りできて、ダメな部屋には入らないようにさりげなく確認できるようにして、上手く工夫しながら動線を確保してあげてください。
4. 室内の危険をなるべく排除するために
犬にしても猫にしても最近は家の中で飼育することがほとんどですが、家の中にも危険は多く潜んでいるので注意が必要です。
たとえば、「大型犬がおもちゃなどの誤飲で喉を詰まらせてしまう」「小型犬が滑りやすい床などで転倒して骨折してしまう」などです。猫の場合だとさらに、配線をかじって感電してしまったり、コンロに飛び乗って火傷してしまったりする恐れも。
暮らしの中にある危険は人間も動物も同じです。むしろ、本能的に動いてしまう習性から動物の方がより危険だと言えます。想定される危険は予め排除して空間設計を考えましょう。
5. ペットの老後も考えた間取り
いつまでも元気であってほしいと願いますが、人間と同じようにペットも年齢を重ねると足腰が弱くなり、若いときには問題なかった段差でも躓いてしまうなど体力も衰えてきます。
いずれ介護を必要とするようになったとき、ペットが安心できる空間づくりがとても大切になってくるでしょう。また、年齢に合わせて、寝室やトイレの場所、ペットが行き来する生活動線上に危険がないかなどの見直しもしていきたいですね。
6. まとめ
これから迎え入れようとしている方も、すでに家族となっている方も、今一度ペットに寄り添った家づくりを考えてみませんか?
人も動物も居心地の良い空間をつくるために必要なことは、「お互いのプライバシーに配慮した空間」と「安全面の確保」。長い時間を共にする家族ですから、月齢に合わせて居心地の良い場所も変えていってあげることが大切です。
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