マイホームを設計するにあたって重要な、住む人の価値観。その中でも今回は、「せっかく家を建てるなら存分に趣味を満喫できる家にしたい!」という人に読んでほしい内容です。
「趣味」というのは人によって違うだけでなく、必ずしも「家」という媒体で実現できるとは限りません。そのため、自分が将来その家で趣味を満喫しているかを具体的にイメージできるかが大切です。
ここでは、代表的な2つの事例をもとに趣味を楽しむための家づくりを解説します。「どう建てるか?」ではなく「どう暮らすか?」ということを考えながら、参考にしてみてください。
1. 家を建てる前に考えたい!あなただけの趣味について
趣味を満喫できる家を設計する前に考えなくてはならないことは、「あなたの趣味が家で実現可能であるか」ということです。
たとえば、DIYが趣味の人は家に作業場を設ければ作業に没頭できますし、車が趣味の人はガレージを設ければ存分に楽しむことができますね。しかし、サーフィンが趣味の人は海に行かなければできませんし、登山が趣味の人は山がなければ登れません。
このように、趣味を楽しむといっても家という媒体では実現できないものもあります。まずは、自分の趣味が家でどのように楽しめるのか考えてみましょう。
2. 趣味を楽しむ家づくりのポイント2選
趣味を満喫できる空間は、一人でも家族でも楽しめる設計にすることが大切。音楽やスポーツ、読書などを家族や親子で一緒に楽しめる空間にすることで、子育ての環境や家族関係にもプラスに働くでしょう。
一人で集中したいときや気持ちを落ち着かせたいときはプライベートな空間になり、家族と過ごすときは賑やかで癒しの空間になる。そんな二面性を持った場所になるといいですよね。
①他空間とのつながりを考える
趣味の空間は独立した空間ではなく、つながりを持たせるのがおすすめです。たとえば、リビング横のビルトインガレージは、家族がお互いに見える設計にすることでコミュニケーションの幅も広げてくれるでしょう。
つながりを持った趣味の空間は自分だけでなく家族にとっても大切な空間になるので、設計のときにはぜひ意識してみてください。
②暮らしに合わせた多目的利用を考える
趣味の空間を多目的利用スペースとして活用できるようにしておきましょう。10年後、20年後を見据えた「生活の実用性」と「趣味」のバランスを考えて設計することが大切です。
ここからは、代表的な2つの趣味を取り入れた暮らしをご紹介します。「ビルトインガレージ」「シアタールーム」を検討している方は参考にしてくださいね!
3. ビルトインガレージのある暮らし
「ドライブや愛車のメンテナンスが趣味」という方は多いのではないでしょうか。ビルトインガレージは、雨の日に濡れずに乗り降りできる実用的な駐車スペースとしてはもちろん、愛車のメンテナンスを行うスペースとしても活躍します。
リビングや寝室などの居住区と隣接して設計すれば、インテリアの一部としておしゃれな生活もできるでしょう。まさに、趣味を実現する家の代表格ともいえる設計ですね!
◎趣味と実用を兼ね備えた2つの使い方◎
ビルトインガレージは、愛車のメンテナンスの作業場としてだけではなく、雨の日などの乗り降り対策にもなります。また、駐車場などを確保できない限られた土地でも有効的に活用できるという実用的な側面もあります。
①楽しみながら使う方法
「好きな車を眺めながら過ごせる」ということは、車好きにとっては大きなメリットですよね。車をいじりたい人はガレージに整備工具を置いておくこともできますし、棚や照明などにこだわれば奥が深いインテリアとして楽しむことも可能。
「ガレージ内に椅子を設けて、お酒を飲みながら優雅に過ごす」など、この上ない贅沢で幸せな使い方もできます。
②実用的に使う方法
ビルトインガレージの実用的な使い方は、「雨や風などの自然環境から愛車を守る」ことでしょう。
他にも、外に駐車スペースがあるわけではないのでその分のスペースを有効的に使えますし、居住スペースからガレージまで直接出入りできる設計にすれば移動距離も少なくてすみます。
ビルトインにするなら、ぜひこのような実用的な側面にも目を向けてみてくださいね。
◎メリット・デメリットを解説◎
ビルトインガレージのメリットは、「空間を上手に使えること」です。駐車スペースが確保できない場所でも家と組み合わせることで有効活用できますし、雨や風などの自然環境からも守ってくれます。
逆にデメリットは、「建築コストが高いこと」と「間取りなどに制限がかかること」です。建物はコスト的にも強度的にもシンプルな形がもっとも理想的。そういう意味では正方形が一番いいのですが、ビルトインガレージがある家はどうしても歪な形の家になりやすいのです。
こうしたメリットやデメリットを押さえた上で設計計画を立てましょう。
4. シアタールームのある暮らし
新築を戸建てで検討するとき、「シアタールームを導入したい」と思う方も多いのではないでしょうか。
シアタールームは通常の部屋とは違い、音への配慮など注意しなければならない点が多くあります。また、内装や照明器具などを工夫して雰囲気を出すことも大切になりますから、間取りの工夫や住宅設備のグレードアップなどコスト面も高額になりがち。
この章では、シアタールームを導入する際の注意点やこだわりポイントなどをお伝えします。
◎ホームシアターとシアタールームの違い◎
シアタールームとは、自宅の一室に映画館のような設備を整えた「映画や音楽を楽しむだけのための部屋」のこと。
一方、ホームシアターとは「家で映画を見ること」で、場所はリビングでもどこでもかまいません。シアタールームのような臨場感は演出できませんが、場所を選ばないため手軽に映画を楽しめます。
◎シアタールームを作るときにこだわりたいポイント◎
シアタールームは意外と奥が深く、家の一室にプロジェクターを置けばいいというものではありません。
この章では、シアタールームを最大限楽しむためのポイントを「防音性」「照明器具」「内装」の3つのポイントから解説します。
①防音性
映画やドラマなどの音環境にこだわる場合、良いスピーカーを用いることになるので、防音性や吸音性などの高い素材を使う必要があります。
壁や天井、床など部屋にある全てのものが音を反響させるため、適切に防音材や吸音材を設置しなければ音が混ざり合って不快に感じてしまう場合も。専門の知識を持ったプロにきちんと設計してもらうことが大切です。
②照明器具
シアタールームを映画館と同じ暗さにすることで、映画に集中しやすくなります。そのため、明るさを調整できる照明器具にするのがおすすめ。
さらに、ダウンライトのような間接照明にすることで、上下に分散した光や反射光が優しく空間を包み込んでくれて、より雰囲気を演出してくれますよ。
③内装
シアタールームの内装で大切なことは、映画館の雰囲気を演出するようなデザイン性よりも「音響機器や配線などが違和感なく溶け込む機能性」です。
最近では、部屋の広さや壁紙などに合わせて特注の家具を注文し、外観上綺麗に収納するケースも増えてきています。費用負担は大きくなりますが、雰囲気をそこなわないような納まりを考えながら設計するといいでしょう。
◎メリット・デメリットを解説◎
シアタールームのメリットは、「映画や音楽などに没頭できること」です。シアターの環境に合わせた内装もレイアウトできるため、自分専用の映画館といっても過言ではないでしょう。
逆にデメリットは、「スペースの場所を考えなければならないこと」です。近隣への音対策として防音や遮音に注意をする必要がありますし、夜などに部屋の光が外に漏れるのもまぶしくて迷惑がかかるので注意しなければなりません。
自分だけが楽しめる趣味の空間が、周りに迷惑をかけないように設計することが大切です。
5. まとめ
少し前の住宅設計は、リビングを中心に組み立てていくのが一般的でした。しかし、近年は住む人の価値観も多様化し、重要視するポイントも人によって異なってきています。
現実的には予算など越えなければならないハードルが沢山あるので、難しい場合もありますよね。そんなときは、一度プロに相談してみるのもおすすめです。客観的な立場からアドバイスをしてくれますし、自分たちの優先順位もしっかり確認できますよ。
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