あこがれのバルコニーをつくっても「あまり活用できない……」ではもったいないですね。今回は、「なんとなく」ではなくしっかり快適に使えるような、どんどん活用できるバルコニーにするために考えておきたいポイントをご紹介します。
家づくりは心地よいバルコニーの使い方を考えるチャンス!せっかくの身近な屋外スペース、しっかり活用して暮らしに活かしましょう。
1. バルコニーとベランダの違いは屋根のあるなし?種類は?
バルコニーとベランダ、よく使う呼称ですよね。どちらも「建物の外壁から外に張り出した2階以上の屋外の平らなスペース」のことですが、その上に屋根があるかないかで違います。
「バルコニー」はその上に屋根がかかっていないもの、「ベランダ」はその上に屋根がかかっているもの。これは曖昧につかわれている場合も多く、どちらで呼んでも間違いではないと考えていいのですが、この記事ではわかりやすく「バルコニー」の呼称で統一します。
バルコニーは、その使い方や配置のされ方で色々な種類があります。
例えば、「ルーフバルコニー」は1階の屋根部分を利用したバルコニーのことで、面積を広く取りやすいのが特徴です。「インナーバルコニー」は、屋根がかかり一部に壁があるバルコニー。「サービスバルコニー」は、ゴミの仮置き、エアコンの室外機置き場などサービスヤードとして使います。
あなたが「バルコニー」といって思い浮かぶのは、どんなバルコニーでしょうか。バルコニーは最も身近な屋外スペース。バルコニーをどう使うかで、家のつくり方、プラン全体も変わるものです。
それぞれの暮らし方にあったバルコニーを計画して、暮らしを豊かに快適にしていきましょう!
2. バルコニーの使い方/3つの例
バルコニーの使い方、3つの例をご紹介します。理想の暮らしをイメージする参考にしてみてくださいね。
①洗濯物をしっかり干したい
バルコニーの使い方として最も多いのは、「洗濯物を干す、布団を干す」というものですね。
洗濯は、毎日の家事のなかでも重い洗濯物を運んだり、乾かして取り込んだりとなかなかの重労働。時間や天気にも左右されがちな仕事です。だからこそできるだけ快適に、スムーズに行いたいものですね。
一般的なバルコニーはあまり奥行きがなく、70~80cm程で、これは人がすれ違うにも体を斜めにしないといけないくらい。そこで、壁付の物干し金物を使うと便利!できるだけ動きやすい広さを確保するのがポイントです。
使わないときには収納できるタイプを使い、スペースの有効利用をしましょう。どかす必要がないのでベランダの掃除も簡単です。
物干し金物を取り付ける場合、外壁の高い場所につけると、洗濯物がたくさん干せますし日当たりも良くなります。一方で、外からの視線が気になることも。
物干し金物を手すり側の低い位置につけると、外から洗濯物が見えることを防ぎますし、風もかなり防いでくれます。ただし、干せる量が少なくなる場合も。
また、屋根をつけると雨よけになり、外出も安心!共働き家族には必須かもしれませんね。
住宅本体の屋根以外にバルコニー用の屋根もあり、住宅本体の屋根が伸ばせない場合にも活用できますよ。ポリカーボネートなど半透明の素材も選べるので、日に当てて乾かしたい方にもオススメです。
②ガーデニングを楽しみたい
ガーデニングやミニ菜園をバルコニーで楽しむことも人気。室内にいるときもバルコニーの緑が見え、心地いいものです。プランターや鉢などを使って好みの植物を育てられますし、野菜を育てれば収穫も楽しめます。
ガーデニングは、水を汲めるとグンと使いやすくなります。とくに盛夏の水やりは朝と晩の2回必要です。近くに水栓があると動線が短くなりますから、プランニングの際に確保しましょう。
バルコニーに空気がこもると、植物にトラブルが起こることも。空気が入れ替わるように、手すりのデザインも風通しを意識しましょう。また、台風などの強風が吹くときは鉢が飛ばされると大変危険ですので、高い台の上からおろすなどの対処が必要です。
ガーデニング用品の収納スペースも計画しておくと、屋外で作業が完結しますよ。洗濯物を干す作業と併用することももちろん可能です。「大きすぎる鉢を置いてしまい身動きできない」ということがないように、しっかり検討しましょう。
③ベランピングでもっと楽しみたい
手軽なアウトドアとして人気の「ベランピング」を楽しむ方も増えています。ベランダとグランピングを合わせた造語で、やりたいときにすぐにできる、おうち時間の新しい過ごし方です。
バルコニーでコーヒーをいれたり、アウトドア料理にチャレンジしたり。身近なアウトドアスペースならではのベランピングを楽しむには、少し広めのスペースがおすすめです。床の素材を工夫したり、目隠しをしたりして、使う人が安心できるように検討しましょう。
ベランピングについての詳しい記事はこちら
「ベランピングのできる家づくり ~快適なおうち時間のための4つのポイント~ 」へリンク
3. バルコニーにあると便利!水栓と日よけを活用しよう
あると便利な「水栓」と「日よけ」。バルコニーに取り入れて、屋外スペースを楽しみましょう。
◎水栓があると使いやすさがアップ!◎
バルコニーに水栓があると、室内まで水を汲みに行く手間がなくなります。バルコニーの掃除やガーデニングの水撒きなどに、屋外の水栓として活用しましょう。
水栓だけでなく、シンクがつくと使いやすさが増します。スロップシンクの設置を検討してはどうでしょう。
スロップシンクは洗濯物の予洗いやスニーカーの洗濯に使われることもあり、深いシンクが特徴。スペースに余裕があれば、ぜひ検討してみてください。
◎日差しを遮る屋根やシェードで快適に!◎
夏場の強い日差しの下ではバルコニーの活用もしにくいもの。バルコニーに屋根がかかっていると、日陰ができ、日差しを遮ってくれるのでよいですね。また、バルコニー部分に住宅本体の屋根がかかると、バルコニーと室内が一体になりやすくなります。
シェードやタープなら開閉でき、日差しによって、また、使い方によってモード変換が可能。ベランピングのためなら、遮熱・UVカットなどができる素材が快適です。ただ、ガーデニングでは植物にある程度の紫外線も必要ですから、あまりUVカット率の高すぎないものがいいでしょう。
バルコニーの日射をコントロールできれば、バルコニーに面する部屋の日射遮蔽につながり、室温の上昇も抑えられます。省エネにもなりますから、楽しみながら使えるものを検討してみてくださいね。
4. 知っておきたい注意点/床面積には入るの?
◎床面積ではなく、建築面積に入る場合がある◎
バルコニーは床面積には算入されませんが、大きさによって、また、バルコニーに壁や柱がある場合は「建築面積」に算入されます。
設計の段階で必ず検討されますが、建築面積の敷地面積に対する割合を「建ぺい率」といい、敷地によって上限が決められています。こういった規制があることを知っておきましょう。
◎メンテナンスは必須と考える◎
バルコニーは屋外ですから、雨風や紫外線の影響を多く受けます。定期的に掃除と点検をすることが、メンテナンスの第一歩になり、長く快適に使うコツ!
排水溝は塞がずに、ゴミなどを掃除しておくよう心がけましょう。掃除の際にコーキングなどのひびや割れなどもチェックすれば、点検になって安心です。
◎防犯・安全に注意◎
2階にあるバルコニーは、手すりの高さやデザインによっては転落の危険もあります。子供が小さい時期はとくに注意が必要!手すりの乗り越えや隙間からのすり抜けがおきないように、十分注意しましょう。
また、バルコニーには、空き巣などが室内に入る足がかりにされやすい一面があります。「目隠しがある」「植栽で見えない」などの外から見えにくいバルコニーは、防犯上は良くありません。ですから、「ある程度の視認性を確保する」「防犯用のライトを設置する」などの対策が必要です。
5. まとめ
バルコニーは屋外のスペースでありながら室内に隣接していて、使い方が広がりやすい部分。おうち時間を楽しむために、ぜひ活用してほしいスペースです。
洗濯物を干すだけでなく、ガーデニングでの利用、水栓や屋根の活用などを検討しながら、バランスの良いプランニングを進めてくださいね。
ハウスウェルで理想のバルコニーづくりを実現!ぜひご覧ください