「自分で育てた新鮮で安全な野菜を食べたい!」そんな暮らしを実現するのが家庭菜園です。この記事では、初心者にオススメの広さや場所選び、土の準備、新築のときにやるべき3つのポイントをご紹介します。
食育にもなる家庭菜園。家づくりのタイミングが、始めるチャンスです!
1. 家庭菜園を始めよう/広さは?場所は?
自宅の庭で家庭菜園を始めるには、どんな準備が必要なのでしょうか。
手間がかかりすぎては楽しめないですし、続けにくいもの。「具体的にどのくらいの広さが必要か?」「日当たりなど場所は?」「土はどうする?」など、始めるための基礎知識を確認していきましょう。
①初心者は狭くてOK
新築の家の庭で家庭菜園を始めるなら、まずは0.5~1坪ほどで始めてみましょう。畳にすると1~2枚程度の広さです。
もしかしたら「物足りない!」と感じるかもしれませんね。しかし、この程度の広さでも2、3種類の野菜を植えることができますし、収穫時期の違う野菜を植えれば、季節ごとに楽しめますよ。
広いスペースの菜園をいきなり始めると、管理が大変。「土を耕す」「水や肥料を与える」「害虫を避ける」「雑草を管理する」など、家庭菜園にも手入れが必要ですし、力仕事もあります。また、初めての栽培は成功もあれば失敗もあるもの。
すぐに手をつけられる広さの方が、こまめに手入れができます。0.5~1坪ほどであれば一人でも十分管理ができますから、まずはあまり広くないスペースから始め、慣れてきたら広げていってもいいでしょう。
ただし、狭いスペースでは「連作障害」が心配。同じような野菜を連続して植えると、同じ栄養素ばかりが土から吸収され、同じ微生物ばかりが土の中で増えてアンバランスになってしまうのです。収穫を終えて植え替えるときには、土に必要な栄養素を足すなど、土作りをしてあげましょう。
もっと小ぶりにプランターやポットを使って、デッキやベランダをミニ菜園にしてもいいですね。プランターやポットを使ったミニ菜園は、土を耕すなどの地面を整える必要もなく、小さなスペースでチャレンジできるので初心者でも気軽にできます。
デッキやベランダの日当たりや風通しを考えて、その環境に合う野菜をプランターやポットで育てましょう。
②場所選びは「日当たり重視」
家庭菜園は「日当たりが良く水はけの良い場所に作る」が基本。特に日当たりが重要です。
一戸建ての場合は、住宅の日当たりを考えて庭のスペースは敷地の南側、もしくは東側にあることが多いはず。そういった庭の中でも日中に日が当たる時間が長い場所、日陰にならない場所がオススメです。ただし、西日ばかりが当たる場所はあまりいいとは言えませんので注意してください。
土の水はけも確認しましょう。水はけが悪いと、野菜が根腐れを起こしてしまうおそれがあります。
水はけが悪い場合は、排水路をつくったり、排水用浸透管を埋めたり、土を入れ替えたりといった対処が必要。「自分でやるのは手間だし難しい」と感じたら、家づくりの際の外構工事で対処することも可能です。
③家庭菜園は土が重要
土は、野菜作りに適したものであることが必要です。もともとの庭の土が野菜作りに適しているとは限りません。土を入れ替える必要もあると考えておきましょう。
庭の土は、小石などが混ざっていたり、硬かったり、水はけが悪かったり。そのまま菜園にはできません。庭に「地植え」するので、土の深さも必要になります。
一般的な野菜では地表から30cm程度、大根などの根菜なら50cm程度の深さまで耕した柔らかい土の層が必要です。この深さを自分で耕して畑を作るのは大変な作業。そこで、外構工事のときに重機で土を掘ったり、土を入れ替えたりしてもらうと安心ですよ。
2. 家をたてるときに準備できること
新築だからこそ、家庭菜園のために準備できること、準備がしやすいことがあります。せっかくの機会ですから存分に活かしてください!
Point1: 埋設された配管を確認
家を新築するときには、敷地に埋設された配管の位置を確認しましょう。家庭菜園は、埋設された配管を避けて作る必要があります。
「庭の中で日当たりの良いところを家庭菜園にしようと掘り返してみたら、埋設された配管があって……」ということにならないように、配管位置を確認しておくことは重要です。
住宅の敷地には、給水、排水、ガス、光ファイバーなどの配管・配線が埋設されます。これらは敷地に接した道路にある本管から住宅までをつなぐ管で、とくに依頼がなければできるだけ短距離でつながるように配置されているのです。
例えば、水道の給水管は多くの場合、敷地の地表から30cm程度の深さに埋められていて、道路から水道メーターを経由して敷地の地中を通り、住宅の中の水栓までつながります。(冬季の凍結がある寒冷地域では、もっと深い場合も)
「この場所は家庭菜園にしたい」という希望がある場合には、設計の段階で不動産会社に相談しましょう。
給水・排水は、「屋外給排水工事」として住宅本体の工事費用とは別の費用がかかります。埋設管の長さが変わると費用も変わりますし、状況によっては変更できない場合もありますから、計画の段階で相談しておくと安心です。
入居してすぐには家庭菜園を始めない場合でも、敷地内の埋設配管がどのようになっているのか、しっかり確認しておくと役立ちます。図面で示されるはずですから、敷地内の「どこに」「何が」埋設されているか、必ず把握しておきましょう。
Point2: 水の確保は必須!
家庭菜園を楽しむには、屋外の水栓が必須。菜園への水やりや手洗いのほか、収穫した野菜を洗う、道具類を洗うなど、水は頻繁に使います。後から取りつけるのは費用面でも負担が大きくなりますから、新築のときに計画して設置するのがオススメです。
家庭菜園には「立水栓」が使いやすいでしょう。ホースをつないだり、野菜や道具を洗ったりしやすくなります。水抜きができる立水栓をつければ、冬季の凍結も防止できて安心。
水栓に加えて「ガーデンシンク」をつけると、使い勝手の幅がぐんと広がります。屋外用のガーデンシンクがあれば、腰に負担をかけずに水をくんだり野菜を洗ったりできます。同時に屋外用の作業台を設けると使い勝手がさらに良くなり、道具の手入れなどに活用できますよ。
また、「散水栓」は土に埋め込まれて、使わないときは蓋で隠れますので、目立たず、狭い庭でも配置しやすいもの。自動散水機などを活用すると、旅行などで留守にするときや夏場の暑い時期などの水やりもできて安心です。
その他、雨水を利用した「雨水タンク」を活用すると、雨の有効活用が可能に!住宅の雨どいに直接取りつけるタンクもありますから、検討してみてください。
Point3: 道具類の収納場所を準備
家庭菜園には道具が欠かせません。道具・肥料類などを片づけられる屋外収納があれば、管理が楽になります。
家庭菜園に使う道具類は、鋤や鍬・スコップ・移植ゴテ・ふるいなどの大小の道具、肥料や土などの園芸用品、ゴム手袋や長靴、麦わら帽子などの作業用品。これらは必ず土などの汚れがつくものなので、できるだけ屋外で管理しておきたいですね。
コンテナボックスやスチールラックなど、家庭菜園を始めるときには最低限の収納スペースを確保しておきましょう。外水栓の近くに収納があると、「土汚れを洗って収納」という流れができて使いやすく、室内に土汚れが入ることも防げます。
3. 初心者にも育てやすい野菜とは?
最後に、初心者に人気の野菜をご紹介します。
一番人気はミニトマト。大きなトマトよりも手がかからず育てやすいですし、実がなりやすいのが特徴です。小ぶりなかわいい実がたくさんなりますから、収穫の喜びを味わいましょう。
また、小松菜、ほうれん草、リーフレタスなどもオススメ。これらは生育期間が1~2か月と短いため、失敗もしにくい野菜です。間引きしたものをベビーリーフとしてすぐに食卓にのせられるのも、家庭菜園ならではの楽しみ!
4. まとめ
家庭菜園を楽しむために、初心者にはあまり広くないスペースがオススメです。日当たりや土の準備など、敷地ごとに変化することも多いですから、家づくりの設計段階からどんどん不動産会社に相談していきましょう。
家庭菜園を楽しんで収穫した野菜を食べる。そんな贅沢なおうち時間を楽しんでください。
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