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「家事動線」にこだわった間取りの家では、無駄のないコンパクトな動きができて家事が楽にこなせます。この記事では、家事動線をどのように取り入れていくとよいか"3つのポイント"をあげてご紹介します。
毎日の家事をスムーズにできれば、時短にもなり、暮らしに余裕が生まれることにもなります。ポイントをおさえて家事動線を上手に取り入れ、暮らしやすい家を実現してください!
「動線(どうせん)」とは、普段の暮らしのなかで建物内を人が自然に動くとき、通ると思われるルートを線で表したものです。間取りを考えるときは、動線を考慮して設計し、毎日の暮らしをスムーズにします。
とくに家事をするときの動きを表す動線を「家事動線」と呼びます。他に「生活動線」と呼ばれるものもあります。生活動線は、生活をしている人たちが家の中を移動するときに通るルートを線で表したものです。
ここでは家事動線について考えていきましょう。
◎家事動線を見つけて時短の工夫を!◎
家事動線といってもすぐにはイメージしにくいかもしれませんが、いまの暮らしのなかにも家事動線がありますから、まずは家事動線を見つけてみましょう。
家事動線を見つけるには、それぞれの家事の手順をぬき出して動くルートを考えます。
例えば「洗濯」。洗濯の手順は、洗濯物を①洗う ②干す ③とりこむ ④たたむ ⑤しまう と考えられますね。この手順を行う場所と移動をふまえてルートを考えます。
例:「1階の洗面脱衣室で洗い、2階のベランダで干し、取り込んで1階のリビングでたたみ、2階の部屋にしまう」
こういった動きを順番につなぎ、線で表したものが家事動線です。洗濯の一連の動きを意識して各部屋の配置を検討し、間取りを考えていくことで、毎日の洗濯がスムーズに行えるようになるわけです。
家事にはこの他にもいろいろな種類があります。日々の家事は楽にこなしたい、少しでも時短をしたいものですよね。間取りを考えるときにはぜひ家事動線を意識してください。現在の家事動線を見つけて実際に動いてみるとイメージしやすくなります。
暮らし方によって動線はいろいろです。洗濯物を干す作業も、外干しか、室内干しか、それとも乾燥機を使うのか、それぞれの家庭のやり方があるはずです。あなたの暮らし方に沿った動線を確認しておきましょう。
家事動線のなかにはいくつもの作業の動線があります。それらの動線を間取りに効果的に取り入れるには、3つのポイントがあります。
・動線同士が交差しないようにする
・動線の長さを短くする
・使いやすさをアップする「収納計画」と「コンセント」
この3つのポイントを意識して、家事動線を間取りに取り入れましょう。
家事にはたくさんの種類があり、それぞれに手順があります。これは「家事動線も1つではなく、作業に合わせてたくさんある」ということです。
それぞれの動線を単独で考えると、線が交差してしまうことがあります。交差してしまうと、お互いに鉢合わせになったり、動きが止まってしまったり、ウロウロ戻ったりして、スムーズな流れになりません。
例えば、朝の家事。朝の時間は1日のうちで最も忙しい時間、という方も多いですよね。ここでは、「朝食の準備と後片付け」「洗濯」という2つの家事動線の交差を減らすことを考えてみましょう。
・キッチン、洗濯をするランドリースペース、洗濯物を干すスペースをできるだけ近づけ、キッチンを中心に放射状に動けるような間取りにする
・ランドリースペースを洗面所ではなくキッチンの近くにする
などの工夫をすると、動きがスムーズになるでしょう。
「朝食の準備と後片付け」「洗濯」「掃除」「ゴミ捨て」など、朝の家事だけでも多くの動きがありますね。それぞれの動線が交差するということは、行ったり来たりが多くなり、家事の面倒が増えてしまいます。
加えて、身支度をして出かける家族の動きも同時進行です。「洗面所で顔を洗う家族と洗濯物を抱えたあなたが鉢合わせする」といったこともありそうです。こういった生活動線ともできるだけ交差しないほうがスムーズ、というわけです。
つまり、それぞれの家族によって適切な動線が異なることがあるのです。家事動線同士が交差せずにコンパクトになるよう、ぜひチェックをしておきましょう。
毎日の家事は自然とマルチタスクになってしまうものです。複数の家事をスムーズにこなすために、まず動線同士が交差しないようにしますが、それだけでは長い動線になってしまい、かえって時短にならない場合もあります。
動線は短いほうが動きに無駄がなく、家事が楽になります。そうはいっても、複雑な複数の動きを組み合わせて考えるのは難しいものです。
そこで、間取りに回遊性をもたせましょう。ここでいう「回遊性のある間取り」とは、部屋の中をぐるりと回りながら家事ができる、または、部屋同士をぐるりと回れるような間取りにすることです。
例えば、キッチンー洗面所ーベランダーリビングダイニングーキッチンと回遊できる間取りなら、短い距離で交差せずに作業をすることができます。
ただ、すべての家事を回遊する間取りで動線を短くすることは難しいものです。ですから、とくに意識する家事をピックアップして、その家事の動線をスムーズに動けるよう短く計画するとよいでしょう。
それぞれのご家族にとって、とくに負担になる家事があるはずです。重いものを運ばなくてはいけない「洗濯」、使う道具が多い毎日の「調理」など、それぞれの家事に特徴もありますし、「私はこれが苦手」という家事もあるでしょう。
そういったなかでとくにスムーズにしたい家事を選んで、その動線を優先させると、効果が大きく感じられます。
動線を意識して家事のしやすい間取りにすると、家族みんなが使いやすくなって家事分担も容易になるという利点もありますから、積極的に取り入れたいですね。
家事動線の使いやすさアップに欠かせないのは、「収納計画」と「コンセント」です。どちらも動線と組み合わせて計画し、間取りに取り入れると非常に効果的です。
◎収納計画◎
収納計画の基本は、必要なものを必要な場所に収納できるように計画することです。そのものを使う場所に収納場所があると、取り出しも片付けも楽ですから、出しっ放しなどにして部屋が散らかる原因もなくなります。
家事の動きのなかで必要なものをその場で取り出せることは、非常に効率がよいものです。家事をするためにその道具を取りに行くのは動きが無駄ですし、その道具を戻すにも手間がかかり、「片付け」が必要になってしまうこともありますよね。
例えば、アイロンをリビングでかけるならば、アイロンやアイロン台はリビングに収納するのがオススメです。その上で、普段は見えないようにしたければ収納部分が隠れるように扉をつけるなど、クローズドの収納スペースにするとよいでしょう。
キッチンでの調理など毎日頻繁に行う家事ではとくに重要で、作業の動きと収納場所が連携するようにしたいものですね。「取り出して片付けるまでが簡単になる」。こういった収納計画が家事動線をよりシンプルにしてくれます。
◎「コンセント」の位置◎
家事を楽にこなすためには、コンセントの位置も重要です。キッチンのコンセントは多くの方がしっかり計画しますが、他の部屋も動線とともに検討してください。
固定的なキッチン家電とは違い、アイロンや掃除機など普段はしまっておく家電製品も多いですよね。家事動線を検討しながら、必要なコンセントをどこにつけるかを決めます。
例えば、掃除は掃除機をかけるそれぞれの場所にコンセントがあると、手間がぐんと減ります。今は充電式、コードレスの掃除機を使う方も多いですが、そんなときは収納の中にコンセントを配置することもできますから、準備しておきましょう。
家事動線は、動線同士が交差しないようにし、動線の長さを短くして間取りに取り入れることで効果的になります。加えて、「収納計画」と「コンセント」を上手に組み合わせることで、より使いやすくなります。
毎日の暮らしに必要な家事をスムーズにこなせる家にするため、ぜひ家事動線を意識してください。
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